どうも形成外科専門医の王子です。
本日は城本クリニック立川院での勤務です。
昨日は信濃町にある母校の慶應大学病院に用事がありました。
懐かしさと新病棟の新鮮さが同居する慶應病院。不思議な感覚です。
都内の大学病院で一番新しい病棟ということで、一見の価値ありですよ。
他院修正。前のキズアトをどうする?
前回のつづきです。
やや専門的な解説になりますが、
お付きあいください。
一度手術を受けた場合、
必ずキズアトが残ります。
手術のテクニック、術後ケア、肌のタイプにより、
キズアトのきれいさは異なってくるのです。
そして二重まぶたや眼瞼下垂の手術のあとのキズアトは、
- へこみ
- キズアトの高さ(睫毛からどの程度離れているか)
の2つが問題になってきます。
へこみに関しては、軽度であればキズアトのしたに組織を移動してあげることで改善することがありますが、
重度のへこみであればキズアトを切り取るしかありません。
キズアトの高さは、適度であれば、キズアトを切除するのが望ましいですが、
高すぎる場合は修正がやや難しくなります。
キズアトを切除すると皮膚不足になることがあるからです。
キズアト高すぎて切除できない場合は、
キズアトより低い切開線から、
キズアトの下をはがして折れ癖を解除します。
そして新たに二重を作るのですが、
新たな二重の線と前のキズアトのひっぱりあいになります。
このひっぱりあいのせいで、術後3か月程度は前のキズアトが勝って、
三重まぶたになったり、最終的にそれが残ったりするのです。
なるべくそうならないようにいくつかの策を駆使して修正していくのが大切です。
組織移動や、袋とじ、つり上げなど、
症例に応じて使い分けます。
術前の写真です。
デザインです。
実線が切開線、点線が前回の切開ラインです。なんとまつ毛から11mmでした。
これはこの患者さんのまぶたにとってはかなり広いです。
挙筋腱膜を3点前転しました。タッキングではありません。
直後は1.5mmの兎眼(目がとじないこと)がありますが、
これは眼輪筋への麻酔の影響が主です。
そしてふくろとじ縫いをしています。
やや力をいれすぎている写真ですが、まぶたをあけたところです。
抜糸時(術後6日目)の写真です。
この時点で二重がみだれてなくても1か月くらいまでは安心できません。
腫れは少ないです。
術前、術後1か月、術後3か月の写真です。
まぶたのカーブもよく二重は安定しています。これで安心です。
ついでに術後3か月のキズアトです。
参考になったでしょうか。
このかたは前医のキズアトを残しましたが、症例によりけりです。
オーダーメイドということです。
また腫れの少なさや内出血の少なさ、術後のツッパリ感のなさも
私のやりかたの特徴です。
片側のまぶた写真の使用のご快諾に感謝します。
長くなりましたが、難しいことはさておき、
結果がすべての世界です。
結果とは 整容面、機能面、患者さんの満足度 ですね。
安定した結果を求めて日々研究しています。
ご質問等あればコメント欄やtwitterでお願いいたします。