こんにちは、形成外科専門医の王子富登です。
本日はいい天気ですね。
冬の青空大好きです。
前回の続きです。
術前の写真です。
前医でなにが行われたかはほぼ謎ですが、
皮膚と皮下組織がたくさん切除されたたことだけはわかります。
内部構造がどうなっているか。
これは皮膚をあけてみないとわかりません。
デザインです。
眉の高さや皮膚の量をみて、慎重にデザインします。
左は皮膚が不足しているのは明らかであったため、
外側皮膚のみ少量切除としてます。
内部をあけてみると、
眼輪筋が多めに切除されていましたが、
挙筋腱膜には前回の手術操作が及んでおらず一安心でした。
両側とも腱膜固定を3点行いました。
術後6日(抜糸)の写真です。
右のまぶたの経過は通常通り。
しかし、左は二重の位置が高くみえます。
これは残された眉毛側の皮膚が少なく、
それによってひっぱられている影響です。
術後1か月の写真です。
順調な経過ですが、まだ腫れは残っていますね。
あとは左のまつ毛近くの組織不足が顕著で、
ペタッとはりついています。
最後に術前術後の写真です。
まつ毛の角度や、まつ毛近くの組織のふっくらさには左右差がありますが、
修正例としてはかなりよい出来だと思います。
写真の使用のご快諾ありがとうございます。
眼輪筋や皮下脂肪などの組織を切除することがあたりまえであった時代もあり、
いまだにそのように行なっている医師もいますが、
最近の主流は
組織を温存し、自然なまぶたをつくることです。
まぶたの手術は
見た目も機能も最優先事項です。
修正手術の難易度があがってしまいますので、
経験の少ない医師の手術を受けるにしても、
皮膚のとりすぎ、組織のとりすぎだけは避けてもらいましょう。
これは眼瞼下垂手術でも切開の二重の手術でも同様です。