どうも形成外科専門医の王子富登です。
前回の続きです。
下眼瞼内反症にはどんな手術がよいのか。
下眼瞼内反症には先人たちが開発し手術方法がいくつかあり、
私はそのなかで効果的なものを組み合わせて行っています。
仮に逆さまつげに対する手術を行った場合、一時的には改善しますが、
すぐに再発します。
(他院から紹介されてくるかたのほとんどは、逆さまつげの手術を受けた後に再発したかたたちです。)
どの術式が一番よいのかということに関しては、
再発率を比較した論文もありますが、なんともいえません。
しかし、私自身は理論的に一番優れていると思われる方法を採用しており、
2-3年の経過をみさせてもらっている患者さんでは再発がないのが現状なので、
この方法を継続していこうと思っています。
術前の写真を再掲します。
局所麻酔で手術を行いました。手術時間は30分程度です。
デザインの写真です。
まつげぎりぎりのところを切開します。
皮膚切除する場合がほとんどです。
内部処理としては、下眼瞼牽引筋群と眼輪筋に操作を加えています。
(やや専門的ですみません。)
術直後の写真です。
かなり派手にまぶたを外向きにしています。
経験上、このくらい外向きにした方がよいと感じています。
術後3か月の写真です。
術直後の状態からすると、うそのようなきれいな状態を保っています。
まつげもしっかり外に向いてますね。
術後1年の写真です。
術後3か月のときと比べるとごくわずかな後戻りはありますが、
依然として良好な状態を保っています。
術後1年ななめからの写真です。
下まぶたと眼球がなめらかに接触しています。
これは眼球にもまぶたにとってもよい状態です。
写真使用のご快諾をありがとうございました。
引き続き経過をみせてくださいね。
このように下まぶた治療も非常に得意としています。
眼科に通っているけれどなかなか治らない逆さまつげのかた、
ぜひ形成外科を受診してみてください。
特にご高齢のかたに多い病気ですから、
親御さんが眼科に頻繁に通院してまつげを抜いてもらっている場合は
形成外科を紹介してあげてください。
まぶた治療はぜひ東邦大学医療センター佐倉病院で。