どうも形成外科専門医の王子富登です。
「銀行や郵便局とかにいったらなんて呼ばれるんですか?」
と聞かれることがよくあります。
「王子様」
としか呼ばれません。笑
自分としては当たり前と思っていることも、
他の人にとっては刺激的だったりするんですね。
さて、前回の続きです。
複合技で高度のあっかんべーを治す。
術前の写真を再掲します。
今回の手術内容は、
lateral tarsal stripと大腿筋膜移植です。
細かくいえばもうひとつ行なっていますが、主にこの二つです。
lateral tarsal stripというのは、以前の記事で紹介したように、
下まぶたの軽度の下垂や外反を修正するための手術です。(日本語訳はありません。)
大腿筋膜移植とは、ふとももの筋肉の膜を下まぶたに移植して、
下まぶたを吊り上げる方法です。
手術のデザインです。
まず内眼角靭帯という、大腿筋膜をひっかける硬い組織をみつけます。
(これは目頭切開のときにいじる部分でもあります。)
lateral tarsal stripを作成したところです。
ピンセットでつまんでいるのがそれです。
そして大腿筋膜を採取します。
そして大腿筋膜を移植します。
水平方向にしっかりささえてあげられるように、
適切なテンションで固定します。
術直後です。
後戻りを考慮し、わずかにつり目気味に固定しました。
術後1か月です。
腫れもほとんどひいています。
術後3か月です。
綺麗ですね。
下まぶたの自然なカーブがでています。
術前術後の写真です。
今後も再発に注意し、慎重に経過観察いたします。
写真使用のご快諾ありがとうございます。
もう片方の下まぶたも外反しそうなので、近日中に手術を検討する予定です。
このように今回はやや複雑な手術でしたが、
適切に行えばよい結果を得られます。
他院で単純な手術ですぐに治るといわれ、
手術を受けたが、すぐに再発というパターンは
かなりよくあります。
ご高齢のかたでインターネットを駆使できるかたはなかなかいませんので、
医師の言うままに手術を受けるかたが多いです。
ご高齢のかたが、いい施設でいい手術を受けるには
インターネットを駆使できる世代のご家族の協力が必要です。
ご両親などがまぶたの手術を受ける予定のあるかたは、
詳しく内容を聞いてあげて、インターネットで情報収集してあげてください。
その時にこのブログがお役に立てると思います。
まぶた治療は形成外科専門医の在籍する専門機関で受けるようにしましょう。