王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重と逆さまつげと

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂と逆さまつげなどの治療について紹介していきます。

まぶたのたるみとり 簡単なようで難しい眉毛下切開 経過とデザイン 60代男性

どうも形成外科専門医の王子富登です。

 

正しい眼瞼下垂治療、まぶた治療の普及のために、

本日もブログ更新です。

 

 

どのくらい切り取ればよいのか。それが一番難しい。

 

眉毛下皮膚切除はよい手術ですが、

切除量が少なすぎたり、

適応を見誤ると、

効果があまりでずにきずだけが残ります。

 

 

術前の写真を再掲します。

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眉毛下皮膚切除のよい適応です。

 

シミュレーションを入念に行なってからデザインします。

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この状態で最大幅20mm切除しました。

 

眉毛下切開の皮膚切開には、

  • 通常通りほぼ垂直に切り込む方法
  • 毛根の向きに平行に切り込む方法(毛包斜切断)

があります。

眉毛の密度や生え方に応じて変えることはありますが、

基本的には毛包斜切断を採用することが多いです。

毛根が温存されて、きずあとから毛が生えてきます。

 

その毛包斜切断で皮膚を切除したところです。

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毛根が温存されているのがわかります。

白っぽくみえるのは、眼輪筋(目を閉じる筋肉)の筋膜です。

 

さて、眼輪筋の処理方法ですが、いくつかあります。

①眼輪筋のタッキング

②一部切除して眼輪筋同士を縫合

③まつ毛側の眼輪筋弁を、眉毛下の骨に固定

 

術前の眉毛の位置やくぼみ目の程度、皮膚切除量を総合評価して、

どの処理にするかを決めます。

今回は②を採用しました。

眼輪筋処理後に、丁寧に縫合して終了です。

真皮縫合は多めです。

手術直後の写真です。

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抜糸時の写真です。

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眼輪筋処理を行なっているので、やや皮下出血が多めにでました。

大きな左右差や、皮膚のツレはなく、良好な経過です。

 

術前と術後1ヶ月の比較写真です。

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瞳の中心がしっかりでて、見やすくなりました。

 

術後1ヶ月のきずのアップです。

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きずの赤みは一番強い時期です。

これからどんどん馴染んできます。

 

写真使用のご快諾ありがとうございます。

 

眉毛下切開にはさまざまな方法、デザインがあります。

そのかたのまぶたのタイプ、眉毛の位置や生え方、骨格など、

すべてを考慮して、デザインや手法を決めるのが大切です。

 

 

この手術の関してよく聞くセリフ、

 

「眉毛の下の皮膚を切り取るだけなのですぐ終わりますよ。」

「目元の印象はあまり変わらずに若返りますよ。」

「きずなんてまったくわからなくなります。」

「二重の幅広げましょうか?」

 

 

適切な判断と手技であれば、このセリフは正しいのですが、

どこの施設でもそれができるわけではありません。

いわれるがままにこの手術を選択してしまい、

 

眉毛の下にきずが残っただけ、

眉毛の外側がふくらんだだけ、

 

とならないようにしましょう。

 

東邦大学医療センター佐倉病院、城本クリニック立川院では、

眉毛下皮膚切除を行なっております。

慎重に適応を判断して、適切な手術をご提案します。

ぜひ一度ご相談にいらしてください。