王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重と逆さまつげと

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂と逆さまつげなどの治療について紹介していきます。

顔面神経麻痺って知ってますか?

形成外科専門医の王子です。

 

来週行われる形成外科学会の発表準備で、ブログ更新がゆっくりとなっていました。

マイペースにがんばります。

 

今回は顔面神経麻痺のお話です。

 

患者さんを苦しめる顔面神経麻痺による多彩な症状

 

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ひょっとこですね。

ひょっとこは顔面神経麻痺をモデルに書かれたとされています。

 

顔面神経麻痺では、このひょっとこのように、

 

眉毛がさがったり、

まぶたがさがったり、

目がとじにくくなったり、

口元が片方に寄ったり、

頬から口角がダラーンと下がったりします。

 

これにより、

 

視野がせまくなり、

目が乾燥し、

口元からは水がこぼれ、

笑顔をつくることができない、

 

とってもつらい状態なのです。

これらは完全麻痺といわれる状態でみられる症状です。

 

 

他にも、不全麻痺といわれる状態では、

 

口を動かすことによりまぶたが閉じたりピクピク動いたり、

食事中に涙がでたり、

顔の筋肉がこわばってひきつったり

 

などの様々な症状がでます。

 

 

 

顔面神経麻痺の原因

原因は多岐にわたりますが、

ベル麻痺といわれる特発性のものが一番多いとされています。

ベル麻痺はウイルスが関与しているとされていますが、

原因がはっきりわからないので特発性とされています。

他にも腫瘍や脳卒中が原因となったり、けがが原因となる場合もあります。

 

顔面神経麻痺の治療について

一番重要なことは早期発見早期治療です。

特にベル麻痺は、早い段階でステロイドの治療をしなければ、

症状の回復に支障がでるともいわれています。

なんとなく顔がこわばるなと思ったら、

すぐに医療機関を受診したほうがよいでしょう。

 

では症状が固定してしまった顔面神経麻痺にはどんな治療があるのかというと、

 

眉毛がさがってて視界がせまい→眉毛をあげる手術

 

うわまぶたが閉じにくくて目が乾く→うわまぶたを閉じやすくする手術

 

したまぶたがゆるんで閉じにくい→したまぶたを閉じやすくする手術

 

口元が片方に寄ったり、頬から口角がダラーンとする

口角や頬を上げる手術

 

笑顔をつくれない→笑顔をつくる手術

 

といった具合です。

 

このなかでも目元が一番需要が高いです。

なぜなら、ものがみえづらかったり、目が乾燥して痛かったりすると、

生活の質がとても下がるからです。

 

 

私の勤務する東邦大学医療センター佐倉病院形成外科では、

顔面神経麻痺の手術にも力をいれています。

 

次回は実際の治療例をご紹介します。