形成外科専門医の王子です。
連休があっとういまに過ぎ去って行きましたね。
私は連休はありませんでしたが、
日曜は休ませてもらい、前から見たかった映画とテレビ番組を
思う存分楽しみました。
さて前回は手術直後の写真までご紹介しました。
幼い頃からの左眼瞼下垂症に対する挙筋前転術
術前の写真を再掲します。
幼いころからの左眼瞼下垂です。
局所麻酔で左(むかって右)のみ眼瞼下垂症手術(挙筋前転術)を行いました。
手術直後の写真です。
開きすぎ...?とびびりますが、ここは我慢です。
抜糸(術後6日)の写真です。
だいぶ馴染んでいます。
抜糸の際にまぶたの開き具合を調整する時もたまにありますが、
今回は調整は不要でした。
きずのアップです。皮膚を軽く指で伸ばしています。
きずの赤みは正常です。
腫れも少なく良好な経過でしょう。
術後1か月の写真です。
腫れもなくなり、手術した左目(向かって右)の開き具合がちょうどよいです。
手術前は右目(向かって左)が開きすぎの状態でしたが、
ヘリングの法則により少しさがって左右のバランスも揃ってきました。
術後6か月の写真です。
とてもよい経過です。
右目(向かって左)の若干の開けにくさがあるように見えるので
右目の手術も検討しましたが、
ご本人はとても満足しており、追加手術は不要とのことでした。
今回も喜んでいただけました。
今回のかたのように、幼い頃からある眼瞼下垂でも、
眼瞼挙筋のパワーがしっかりあるかたが時々いらっしゃいますが、
実際のところは皮膚をあけてみないとわからないですね^^;
写真使用のご快諾ありがとうございます。
今回の腫れの経過も参考になるのではないでしょうか。
日々研究を重ねて、
切るけど腫れない眼瞼下垂手術を目指しています。
片方の眼瞼下垂に対して片方だけの治療にするか、
それとも両方の治療にするか。
これは難しい問題です。
私の判断基準としては
- 症状が弱いほうのまぶたが、正常もしくは正常よりも開いている
- 症状が強いほうのまぶたを指で持ち上げた時に、
症状が弱いほうのまぶたがさがってこない - うまれつき片方のみの眼瞼下垂症
- どちらにしろ片方ずつの治療を希望されている
の場合、片方のみの治療をまず行います。
それ以外の場合は両側同時の手術をおすすめするようにしています。
さて次回は
二重の皮膚のゆるみ
について少し触れたいと思います。