王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂の治療について紹介していきます。

【注意喚起】エステで機械による痩身治療(脂肪溶解治療)を受けたかたの皮膚トラブル【閲覧注意】

形成外科専門医の王子です。

最近ツイッターやるようになりました。

のんびり継続します。

 

本日はまぶたとも眼瞼下垂とも無関係ですが、

注意喚起の意味で是非ともとりあげたかった題材です。

 

楽して痩せたい。

 

乙女心ですね。よくわかります。

すこしでも細く、きれいになりたい。

あたりまえの願望です。

そのために必須なのは、食事療法、運動療法であることは

周知の事実でしょう。

 

それでも落としきれない脂肪ちゃんたち。

 

やっつけるために、

などを医療機関で受ける人はとても多いです。

 

痩身機器はさまざまなものがありますが、

最近は冷却による脂肪溶解治療がメジャーです。

脂肪吸引はダウンタイムが長いというイメージはあるものの、

物理的に脂肪を減らすので、絶対的な効果があり、

今後も廃れることはないでしょう。

 

そんななか、エステでも痩身治療は幅広く行われています。

今日はエステで機械による痩身治療を受けたかたのトラブルを報告します。

20代の女性がとあるエステ店で脂肪冷却による痩身機器で

おなかの痩せ治療を受けました。

少し痛かった程度ということでしたが、

施術後にだんだんと痛みが増してきて、皮膚の色がかわって

黒いかさぶたができていったそうです。

近所の皮膚科に行って軟膏をもらうも、

症状が改善しないため形成外科を受診しました。

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おなかの左側に約7×3cmの皮膚潰瘍(ひふかいよう)がありました。

皮膚潰瘍とは簡単にいえば皮膚に穴が開いた状態です。

したに見えている黄色は脂肪の色味です。

 

医学的にいうと

 

三度凍傷です。

 

これはとんでもないことです。

冷却により凍傷となり、皮膚が死んでしまったのです。

実際に傷をよく診察すると、皮膚の下の脂肪組織まで壊死していました。

(逆にいえば、冷却装置は本当に脂肪に効果があるのです。)

患者さんがエステ店に連絡した際には、

 

「ひとまず健康保険で治療してもらってください。

治療が終わったら連絡してください。」

 

とあしらわれたそうです。

悪質すぎて言葉がでませんね。

その後は、形成外科で潰瘍を切除して縫合して、

一本線の傷にして目立たないようになりましたが、

若い女性の体に残されたきずは一生消えることはありません。

 

 

痩身、フォトフェイシャル、脱毛、ケミカルピーリングなどを行なっているエステは非常に多いです。

しかし、ほとんどが皮膚に障害を与える可能性がある機械や治療であり、

本来は医療機関でしかやってはいけないことです。

クリニックで十分な知識を持った医師が、

痩身治療やフォトフェイシャル、レーザー治療などをやる際でも

やけどなどが起こらないように細心の注意を払って行います。

エステティシャンに皮膚や機器の知識がどこまであるのでしょうか。

素人のかたにこのような危険性のある治療をしてもらいたい人なんて

いませんよね。

 

というわけで

強引な勧誘や格安な料金につられて

エステで機械治療を受けるのはおすすめしません。

特に機械治療はクリニックで受けるようにしてください。

 

(注 エステのフェイシャルトリートメントなどはリンパ流の改善効果などもあり

エステでの施術がすべて悪いといっているわけではありません。

医療機関ではできない素晴らしい施術をしてくれるエステも多くあるでしょう。

エステでできること、クリニックでできることのすみわけが重要ということです。)

 

私は医療やエステに関わらず、こういった被害情報の共有は必須だと考えています。

 

私の考えをご理解いただき、写真のご提示を了承してくださった患者様に

あらためて感謝申し上げます。