まぶた形成外科の王子です。
二重切開法や眼瞼下垂の手術、目頭切開など、
切る手術が多いと思われがちですが、
二重埋没法も好きです。
大手美容外科の埋没マシーンのドクターよりは少ないですが、
定期的に埋没法やってます。
埋没法に関する記事はこちら。
今回は女性患者さん(40代)の埋没法の症例です。
まぶたが重い ということで私の外来にいらっしゃいました。
術前の写真です。
まぶたのタイプとしては
分厚い皮膚の範囲が多く、ROOF(眉毛の下のほうにあるかたい脂肪)も
眼窩脂肪(まぶたの奥にあるやわらかい脂肪)も中程度あるタイプで、
まぶたを開く力は通常よりもごくわずかに弱ってきた状態です。
まぶたの開きを助けるための眉毛の挙上もあり、
そのせいもあってまぶたは上に引き伸ばされてそこまで分厚く見えませんが、
なにも考えずに眼瞼下垂の手術をすると、
眉毛がさがることによりポテッとした二重まぶたになるので、
注意が必要です。
よく診察をしたうえで切る手術と切らない手術をご提案しました。
ダウンタイムが取りにくいとのことで切らない手術、
すなわち埋没法をご希望されました。
しかし切らない眼瞼下垂手術ではなく、
まぶたの形をととのえる目的の埋没法です。
経験上、このタイプであれば埋没法でまぶたの重さがとれる場合が多いです。
ブジーでシミュレーションを念入りにしたのちに、
極細のペンでデザインします。
今回は二重ラインを5mm(軽く伸ばして10mm)の位置にデザインしました。
デザインを鏡で確認してもらってから手術開始です。
目薬の麻酔薬をして、
極細の針で麻酔をゆっくり注射していきます。
ゆっくり行うことが痛みを軽くします。
極細の糸を丁寧に通して、丁寧に結んで手術は終わりです。
手術直後の写真です。
今回はあおむけで撮影した写真で、二重の感じが分かりにくいかと思いますが、
ほとんど腫れてないのはおわかりいただけると思います。
そして今回はむかって左のまぶたのみの手術ですから、
手術していないまぶたとの比較で、腫れの少なさがよくわかるのではないでしょうか。
術後7日目の写真です。
向かって左のまぶたが手術した側です。
腫れは少なく、くいこみや二重のゆるさも適度です。
片側の埋没法の症例の経過は参考になると思います。
手術前後の比較写真です。
こちらの患者様、まぶた写真の使用をご快諾していただけました。
ありがとうございました。
しかし、皮膚のゆるみがでてきているかたへの埋没法は注意が必要なんです。
10代のかたに行う埋没法と同じようにやると、
ビヨーンとひきのばされた二重になったり、
まぶたの開きが悪くなったり、
糸の玉が目立ったりすることがあります。
経験ですね。
最後にひとこと。
埋没法で40万から100万請求する美容外科がまだ存在しているようです。
異常です。若い人をだましてローン組ませるなんてかわいそうだと思います。
適正価格を知ることが大事です。
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手術内容:埋没法
リスク:腫れ、痛み、内出血、糸のトラブル(感染、露出、ぽこつき、透けてみえる)、二重の左右差、二重のくいこみ、まぶたの開きが悪くなる、二重の消失、二重が浅くなる、眉毛がさがる、ツッパリ感、眼瞼痙攣、霰粒腫など
料金:自費治療であれば両側で12-15万円(税別、酒井形成外科での価格)
逆さまつげの治療としての保険適応であれば両側で約10000円(3割負担)