形成外科専門医の王子です。
最近は木曜に名古屋にいってまぶた手術のお勉強をさせてもらっています。
大変有意義な時間です。
もちろん名古屋までいくのには時間がかかりますが、
長時間通勤はへっちゃらです。
いままで2時間かけて佐倉まで通勤していたことが
こんなところで役に立ってます。
さて前回の続きです。
術前の写真をおさらいしましょう。
症状の強い重症の逆さまつ毛です。
手術デザインです。
まつ毛の下2mmのところから1.5mmの皮膚切除のラインを描き、
そこから目頭切開のラインへとつなげています。
細くきれいにデザインするのが大切です。
手術直後です。
血の苦手なかたはとばしてください。
逆さまつ毛は一時的に過矯正にすることが必要です。
そのためにもまぶたの縁に補助切開をいれています。
そのせいでやや痛々しくみえますね。
術後1週間です。
まつ毛の下のきずも、目頭切開のきずも、まぶたの縁のきずも
どれも目立ちません。
うわまぶたと違って腫れが少ないですね。
そしてまつげはとてもいい向きになっています。
術後1か月の写真です。
だんだんと目立たなくなってきました。
後戻りはごくわずかです。
しかし、目頭切開のきずだけは別です。
目頭切開(特にリドレーピング法、リドレープ法)はこの時期にほぼ必ず
きずが赤く硬く目立ちます。
あせらずにテープ固定やリザベンの内服でコツコツ頑張る時期です。
術後4か月です。
(角度が若干違っていて申し訳ありません。)
まつ毛の後戻りや再発はなく、順調ですね。
ここまでくるとほぼ完成といいたいところですが、
目頭切開の部分のきずはあともう一歩です。
術後1年の写真です。
きずは全く目立ちません。
逆さまつ毛の再発はなく、後戻りも最小限です。
目頭切開のきずもかなりなじみました。
最後に術前と術後1年の比較写真です。
すごくよくなりましたね。
写真掲載のご快諾ありがとうございます。
何度でもいいますが、逆さまつ毛は再発の多い病気です。
眼科で手術して再発したかた、形成外科で手術して再発したかた、、、、
とても多いです。
私はいままでそのようなかたをたくさん見てきていますし、治してきています。
この治療は最低でも術後1年くらいの状態のチェックが重要です。
術後1か月の写真を見せているクリニックなどもありますが、
術後1年くらいの写真でないと、治療効果を正確に判断できませんよ。
逆さまつ毛はお子さんに多い病気なので、
一回の手術できちっと決めることがいかに重要か。
それを考えて手術をしてくれる医師のところにいきましょう。
(きずの治り方には個人差があります。
まつ毛の下のきずは最終的にわずかに線や食い込みとして残ることもあります。)
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手術内容:逆さまつげ手術(中縫い法)、目頭切開
早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、稀に結膜浮腫、結膜下出血
見た目のリスク:きずのくいこみ、キズアト、眼瞼外反、目頭がでることによる印象変化、目頭の左右差、目頭切開部の肥厚性瘢痕など
機能面でのリスク:睫毛内反の再発、睫毛乱生、霰粒腫など
料金:自費治療で両側40万円(税別)(下まぶたの逆さまつげ)
両側28万円(税別)(目頭切開)