形成外科の王子です。
眉下切開、よくやられてますね。
まぶたの皮膚がたるんできた、まぶたが重い、三角目が気になる。
すべて眉下切開の適応です。
最近は20代のかたにも眉下切開を適応することが多くなってきました。
分厚い皮膚をとりのぞいて、目元を軽くできるのは眉下切開しかありません。
というわけで、10代から90代のかたまで眉下切開は適応になります。
ただし、
きずをきれいにする縫合
きずを目立たせないデザイン
が大前提です。
たまに眉下切開術後のかたの相談をうけることがありますが、
わけわからないところにきずがあったり。
最低限のルールは守ってほしいものです。
あとは、眉と目が極端に近すぎるかたは避けたほうがよいでしょう。
三角目を治すための眉下切開
まぶたの外側のたるみによる三角目を治したいと相談にこられました。
術前の写真です。
このタイプの三角目であれば眉下切開のとてもよい適応です。
(たまに眉下切開ではなく、まぶたの二重の線での切開がふさわしい三角目もあります。)
デザインです。
いろんな箇所を計測して、なるべく左右対称になるようにデザインします。
縫合した後の、縫合線もイメージしてデザインするのが大事だったりします。
最大切除幅は11mm。
手術直後です。
少量の局所麻酔を丁寧に注射することで、痛みなく、腫れも少なく終わることができます。
手術後7日目、抜糸時の写真です。
内出血も少なく、腫れも普通くらいです。
形成外科医が丁寧に止血と縫合を行えばこんな感じです。
細い糸で細かく縫います。
(たまにすごくあらく縫われている眉下切開をみますが、
きずはどうなってしまうのでしょうか。)
術後1か月の写真です。
三角目が治りました。目の開きもよくなってますね。
きずの角度や位置もよいです。
きずの赤みはこのくらいが1か月ですと正常です。
心配になる方も多いですが、きずを刺激しないようにしておおらかな気持ちで過ごしましょう。
眉下切開のきずの完成は6−12か月です。
完成すると白く細い線となり、ほとんど目立たないです。
このかたは遠方でしたので、3か月後の写真はありませんが、
1か月でこのきずであれば必ず目立たなくなってきます。
参考までに、他のかたの眉下切開半年後の写真はこの通りです。
術前術後の写真をならべてみます。
こうしてみると、術前にあった下三白眼が改善していることもわかります。
視野が広がることで、こういった嬉しい変化もでてくるんですね。
写真使用のご快諾ありがとうございました。
眉下切開を考えているかた、とても多いと思います。
よくあるトラブルは、
きずの幅が広い。
きずの位置が低い。
きずの向きが変。
眉毛がさがったせいで、二重幅がかわらない。
眉毛がさがったせいで、たるみの量がほぼ変わらない。
といったところでしょうか。大抵はきずの関する問題ですね。
あとは体質によっては肥厚性瘢痕といって、
ケロイドのようにかたくなる場合も稀にあります。
皮膚のとりすぎもだめだし、
皮膚のとらなさすぎもだめです。
デザインと適正な皮膚切除量が難しい手術です。
でも二重の手術よりかは安定した結果をだしやすい手術でもあります。
眉下と埋没の組み合わせなんかもけっこうよいですよ。
近い将来、どなたでも人生に一度はやる手術になるかもしれません。
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手術内容:眉下切開(眉毛下皮膚切除)
早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、赤み、埋没糸膿瘍など
見た目のリスク:きずが目立つ(傷の色、幅、位置など)、皮膚のつれ、眉毛がさがる、まぶたのたるみの残存、二重の変化など
機能面でのリスク:ツッパリ感、しびれ、感覚鈍麻など
料金:保険適応:約38000円(3割負担)
自費治療:40万円(税別)