形成外科専門医の王子です。
ニュースはコロナ一色ですね。
予防対策をきちんとして、パンデミックが起こらないように祈るのみです。
さて本日は私の大好きな眼瞼下垂治療についてです。
くぼみ目と眠たそうな二重を治すには眼瞼下垂手術がうってつけです。
(ちなみにくぼみ目は眉下切開では治りません。)
典型的だけど奥が深いハードコンタクト性眼瞼下垂
50代女性。
ハードコンタクトレンズ着用歴40年。
典型的なハードコンタクトレンズの眼瞼下垂症です。
肩こり、頭痛あり。
術前はこのつらさ。くぼみ目と眠たそうな二重が目立ちます。
ハードコンタクトレンズ恐ろしや。
といいたいところですが、
いままでコンタクトレンズに人生を豊かにしてもらったことを考えれば
ありがたいもんです。
私もコンタクトレンズをしていた期間がありましたが、
初めてつけた時の感動は忘れられませんね。
手術が怖いけど、勇気をだして手術を決心した。
とのことで、全力で期待に応えるべく、デザイン開始。
二重幅はしっかりみえるくらいの二重がご希望とのことで、
それを踏まえてのデザインとしました。
二重は8mm、皮膚切除は3mmです。
どのくらいの二重にしてどのくらい切り取るかは経験とシミュレーションにつきます。
手術は局所麻酔で行います。(自費治療であれば静脈麻酔も使用可能です。)
痛くない麻酔の打ちかたにこだわっているので、
「思っていたよりも痛くなかった」
と言われることが多いです。
手術開始。
メスでデザイン通りに切開したのちに、組織を確実に同定して、正確に剥離操作を行います。
何度も何度も繰りかえしてきた動作です。
そしてこの手術の肝である挙筋腱膜固定。
挙筋腱膜前転術は、
固定する場所が上や横に1mmずれただけでも、いいカーブは得られません。
ここでとても大切になるのが、手元の操作ではなく、
いまのまぶたのカーブが本当によい形なのかを判断する術者の目です。
経験が浅いと、どのような形が正しいのかが判断できないのです。
そもそも何にも考えていない術者もいます。
目が肥えていることが必須です。
手術直後。
腫れは私の手術のなかでは平均レベルです。
さらっと袋とじ縫いをしてます。
貴重な手術翌日の状態も。
術後1-2日が一番腫れていますが、この程度です。
この腫れを許容できるかどうかはあなた次第。
術後7日、抜糸の日に再会しました。
むかって左の内側の腫れが少し目立ちますが、大きな左右差などなく一安心です。
もちろんご本人は不安のまっただなかですから、
よくお話を聞いて安心させてあげることも私の大事な役目です。
術後1か月目には必ず来てもらいます。
まだまだムクミやかたさが残る時期。
いい感じです。
私からすれば、
大丈夫!成功しましたね!
って感じなのですが、
患者さんはまだまだ不安ですよね。
頑張って乗り越えましょう。
術後3か月の定期チェック。完成まであと少し。
1か月目の写真とくらべると、浮腫みがひいているのがよくわかると思います。
このくらいになれば、患者さんも安心ですね。
あとは完成を待つのみ。
術後6か月。完成の時期です。
大成功。
向かって左の眉が高いこととくぼみ目が強いことが影響して、
ごくわずかな左右差はありますが、とても自然です。
ふし目ときずのアップも。
きれいな傷です。
参考になりましたでしょうか。
写真使用のご快諾ありがとうございます。
最後に術前と術後の比較です。
情報収集を頑張って、勇気をだして手術を受けて本当によかったですね。
少なくとも10年以上は若返ったと思います。
究極のアンチエイジング手術ですね。
正確でリアルな情報を伝えるべく、今回もしつこいくらい写真を載せました。
同じ条件で写真をとって、データを整理して、同じ縮尺で同じサイズで切り抜き、
ひたすら貼り付けてブログを更新する。
けっこう時間かかる。大変だな。これって誰得?
って思うこともあります。
でも誰かに役に立てば良いと思ってひたすら続けるのみ。
これはきっと手術と同じ。
同じ作業を、淡々と黙々と妥協せずに正確にやりつづける。
そういう姿勢が結果につながる。
そう信じて頑張ります。
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手術内容:眼瞼下垂症手術(挙筋前転術)
早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、稀に結膜浮腫
見た目のリスク:まぶたの開きの左右差、二重の左右差、まぶたのアーチの不整、
予定外重瞼(三重)、二重のくいこみ、キズアト(場合により2本)、低矯正、過矯正、
二重の消失、二重が浅くなる、内側と外側の二股、眉毛がさがる、うわまぶたが厚ぼったく見える、など
機能面でのリスク:兎眼、ツッパリ感、視力の変化、眼瞼痙攣、ドライアイ、角膜炎、霰粒腫など
料金:保険適応で約45000円(3割負担)
自費治療で約60万円(税別)