王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂の治療について紹介していきます。

まぶたのたるみ取り 〜デザインと経過〜 50代男性 眼瞼下垂

どうも形成外科専門医の王子富登です。
本日は眼瞼下垂症手術とヤケドのキズアトの手術でした。
ヤケドのキズアトに対しては、
エキスパンダー(風船のようなもの)を三個入れて
正常皮膚を伸ばす手術でした。
エキスパンダーを考えた人は本当に偉いです。

 

前回の続きです。
皮膚のたるみがメインの眼瞼下垂症に対して、
たるみ取りと二重をつくる手術を行いました。
(これも眼瞼下垂症手術にあたります。)


ちょっと待って。その挙筋操作(挙筋前転)は本当に必要?

諸先輩がたのご尽力により、
眼瞼下垂手術が医師のなかでも普及してきました。
それに伴って、少しでも眼瞼下垂の気がある患者に対して、
挙筋腱膜(もしくはミュラー筋)をタッキングもしくは前転する
という風潮があることは確かです。

 

美容外科でもその風潮があり、
なんにも問題のない、
ただの一重まぶたに対して、
なぜか挙筋に対する操作がされている症例が多く見受けられます。

 

なんでもかんでも前転やタッキングすればいいってことではないですね。

 

一度前転やタッキングされた症例は
瘢痕(きずあとの組織)が形成されますので、
修正手術はやや難易度が上がります。

まぶたを専門に診療している医師であれば、
眼瞼挙筋の力を正確に診断した上で、
自覚症状や皮膚のなかの状況をふまえ、
腱膜を前転もしくは固定することが必要なのかを
適宜判断します。

 

今回の症例では挙筋能力が十分にあることが、
術前から明らかであったため、
挙筋操作は迷うことなく、不要です。

 

デザインの写真です。
加齢性眼瞼下垂症手術では切除ラインの下縁が二重の線に相当します。
今回は7mm(伸展時9mm)としました。
皮膚切除幅は5mm(伸展時7mm)、眼輪筋の切除幅は約2mmです。
患者さんのリクエストは、男前なぱっちりしすぎない二重ということで、
鏡をみてもらいながら十分にシミュレーションを行いました。

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二重の作成法はいくつかありますが、
今回は挙筋腱膜(隔膜)に固定する方法で行いました。
下の写真では挙筋腱膜(隔膜)がよくみえます。
この膜と皮膚を縫うことにより二重が形成されます。

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術直後の写真です。
可能な限り腫れを少なくする手術を行っていますので、
腫れも少ないです。

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術後6日目(抜糸時)の写真です。

腫れの影響と眉毛の高さの違いもあり若干の左右差が見受けられますが、

しっかりと二重になっています。
傷も綺麗です。

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術前の写真と術後1か月の写真です。
挙筋操作なしでも、適切なデザインと操作によりここまでの結果を得られます。

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きずのアップです。

術後1か月はきずが一番赤くなる時期です。
へこみのない自然な二重を追求しています。

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写真の使用のご快諾ありがとうございます。
同じお悩みの患者さんには大変参考になると思います。

 

 どの程度皮膚を切除するか。

 

眼瞼下垂症手術が普及した当初は、
皮膚切除をできる限り行うことが良しとされていました。
しかし、最近では皮膚切除を控えめにして、
それでも余りがあれば眉毛下皮膚切除を行うほうが、
自然ということで、流行りとなっています。

 

ただ患者さんとしては一回の手術で最高の結果が欲しいものです。
やみくもに皮膚切除を少なくすることがいいのではなく、
その患者さんのまぶたの状態や希望に応じて、
変えていくことが大切と考えています。

 

そして切除量を決めるには


知識と経験とセンス


が必要となります。


千葉県での眼瞼下垂症手術は東邦大学医療センター佐倉病院で。
これからもまぶたブログを宜しくお願いします。