どうも形成外科専門医の王子富登です。
本日は東邦大学佐倉病院で外来と手術をしています。
まぶたの手術後の抜糸にこられるかたも数人いらっしゃいますので、
お会いするのが楽しみです。
さて、前回の続きです。
症例数をたくさんこなしているかたならわかる、
結果をだしにくいまぶたのタイプでしたが、
かなりよい結果を得られました。
写真使用のご快諾ありがとうございます。
たるみをどの程度とるかについての私の考え
結論からいうと、
まつ毛の上にあまった皮膚がかぶらない程度に皮膚をしっかり切除する。
ということです。
単純なようでこれがなかなか難しいのです。
写真で示せば、
ということです。
手術後にまつ毛に皮膚がかぶっていると、
ちくちくする
重い感じがする
などの自覚症状が残ることが多いです。
眼瞼下垂症手術にまつわる最近のトレンド
この手術にまつわるの最近のトレンドとして、
挙筋前転術の際に皮膚の切除量を少なくすること
があります。
こうすることにより、
眉毛の下の分厚い皮膚が二重にかぶって、
あつぼったい二重になることを避けることができるというのです。
それでもたるみが残るようであれば眉毛の下で皮膚切除を行うことが
勧められています。(眉毛下皮膚切除のことです。いつか解説します。)
なにより、たるみをとらないデザインのほうが考えることが少なく、
簡単ではやいです。
しかし、私自身この考えには賛成な点もあれば反対する点もあります。
賛成な点としては、たるみをとらないことにより、
- 分厚い皮膚からできる分厚い二重を避けるということです。
反対する点としては、
- 皮膚のたるみの残りにより、まつ毛に皮膚がかぶる可能性がある。
- 皮膚のたるみの残りにより、二重の幅がせまくなりがち。
- 皮膚のたるみの残りをとるには、もう一度手術が必要。
ということです。
この中でも地味に一番大切なのは最後の、
皮膚のたるみの残りをとるには、もう一度手術が必要。
ということだと思います。
手術を何回も受けたい人なんていませんし、
一回で満足する結果が欲しいに決まってますよね。
「はじめは二重の線で手術をして、
皮膚のたるみが残っていれば
眉毛の下で皮膚をとったほうが自然な二重になりますよ。」
というのは医師側のエゴに近いのかなと思ったりもします。
眉毛下皮膚切除は慣れた術者であればとっても綺麗なキズアトにできますが、
それでもキズアトには変わりありませんし。
もちろん、眉毛下皮膚切除がとてもよく効果をだせるタイプのかたや、
どうしても二回手術が必要なかたもいらっしゃいますが、
私は、
まつ毛にかかる皮膚を避け、二重幅もだせるように、
一回の手術で満足していただけるように、
その人に合わせて必要十分量の皮膚切除のデザインにこだわり続けたいと思います。