王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重と逆さまつげと

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂と逆さまつげなどの治療について紹介していきます。

本当に腫れない眼瞼下垂手術  〜20代女性の三重と下垂〜

形成外科専門医の王子です。

 

まぶたの手術、

特に眼瞼下垂手術はすごく腫れると思っていませんか?

 

だからこそ切らない眼瞼下垂という手術が人気あるんですね。

(後戻り、腫れが長引く、糸のゴロゴロ、糸のボコボコ、眼瞼けいれんなど

いろんな副作用がありますから、クリニックを選ぶ際は気をつけてください。)

 

でも実は切るけど腫れない眼瞼下垂手術もあるんです。

今回は正確にいうと腫れにくい眼瞼下垂手術の紹介です。

 

頭痛、肩こり、まぶたの開きにくさと三重まぶた。

 

20代女性が上記を主訴に王子外来にいらっしゃいました。

軽度の眼瞼下垂があり、自覚症状もあり、片方は三重まぶたとなっています。

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この状態をみてどんな治療をするか。

まぶた外科医としてはいくつかの選択肢がぱぱっとあがります。

 

①全切開式眼瞼下垂手術

②切らない眼瞼下垂手術(糸を使った埋没式眼瞼下垂手術)

③三重まぶたがあるほうにヒアルロン酸を少量注射

④小切開式眼瞼下垂手術

 

①はよく行う手術で手術もやりやすいですが、ダウンタイムは少し長めです。

②はダウンタイムが取れないかたに行うことがありますが、

まぶたの開きの細かい調整がやりにくいのとミュラー筋へのダメージが気になるところです。

③は三重まぶたを落ち着かせることはできそうですが、根本治療にならないので

頭痛や肩こりなどの症状がとれません。

④は部分切開とかミニ切開といわれる二重の手術に挙筋腱膜操作を加えたものです。

適応は限られますが、腫れにくいとてもよい方法です。

 

ということでご本人と相談したうえで④をチョイス。

両側同時に手術しました。

手術時間は約40分でした。

 

 

腫れの程度がわかりやすいように開瞼時の術前術後写真を並べていきます。

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術後7日目の写真に特に注目です。

両側手術したのに両側ともびっくりするほど腫れなかったですね。

幅広の埋没法をしたときよりも腫れが少ないです。

 

そして肝心の開き具合はどうでしょう。

びっくり目にもならず、ナチュラルにまぶたがあがり、

後戻りもありません。

左右差もほぼなく、三重まぶたもなくなりました。

もともと美しい瞳とまぶたでしたが、より一層美しくなりました。

頭痛や肩こりなどの自覚症状も消失しました。

術前術後写真の使用のご快諾ありがとうございます。

 

次回は手術のデザインと術直後の写真を解説します〜

 

もしほかの施術をしてたら?

このようなかたがハズレな美容外科を受診した場合、

 

くぼみ目へのヒアルロン酸(10万円)をすすめられて、

ヒアルロン酸いれられすぎてぼってりする。

 

切らない眼瞼下垂(20-50万)をすすめられて、

腫れが長引いた上に、早期に後戻りして、なおかつゴロゴロ感もある。抜糸困難。

 

たるみ取り併用眼瞼下垂手術(60−80万)をすすめられて、

修正不可能なデザインと内部処理をされて、とてつもなく長いダウンタイムに突入する。

 

といった可能性が考えられます。

もちろん上手な美容外科ではうまく治せると思いますが、うまくいかないと大抵こんな感じになるんじゃないでしょうか。

慎重に選択しましょう。 

 

 

 

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手術内容:挙筋前転術

早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、稀に結膜浮腫

見た目のリスク:まぶたの開きの左右差、二重の左右差、まぶたのアーチの不整、

予定外重瞼(三重)、二重のくいこみ、キズアト(場合により2本)、

二重の消失、二重が浅くなる、眉毛がさがる、うわまぶたが厚ぼったく見える、など

機能面でのリスク:兎眼、ツッパリ感、視力の変化、眼瞼痙攣、ドライアイ、角膜炎、霰粒腫など

料金:保険適応で約45000円(3割負担)

自費治療で50万円(税別)