形成外科の王子です。
おそらく保険適応できるくらいの眼瞼下垂であったかたが、
自費治療しかやっていない美容外科で眼瞼下垂手術をうけて、
失敗に近い結果になってしまった。
そんなかたが修正のご相談にいらっしゃることがあります。
(いくつかのクリニックが多いです。)
お話していてとても心が痛みます。
仮に保険適応できるくらいの眼瞼下垂であったとしても、
一度自費治療をうけてしまった後の修正は自費になってしまうのです。
60万で手術を受けて、修正さらに同じ金額がかかる。
お気の毒ですが仕方のないことです。
一方、保険治療のみのクリニック(眼科や形成外科)では、
「保険だから美容的な面はあきらめてください」
「そんなに見た目を気にするなら美容外科にいってください」
といわれることもあるみたいなので、
それもなんだかなあと思います。
どこで手術うければぜんぜんわかりませんね。
だからこそ眼瞼下垂治療は保険治療も自費治療もやっているクリニックで
受けることをおすすめします。
病気としての眼瞼下垂と診断できたかたは保険治療で手術できますよ。
さて本日はシンプルな眼瞼下垂手術のモニターさんです。
まぶたの重たさと頭痛肩こり、逆さまつげを治したいと、
王子外来にやってきてくれました。
術前の写真です。
まつげへの皮膚のかぶりがあるので、
眉下切開でたるみとり、埋没法でたくしあげ
なども選択肢にあがりますが、
症状や黒目の出ている大きさをみる限りは
二重切開での眼瞼下垂症手術が一番ふさわしいでしょう。
患者さんと相談しながらデザインを決めていきます。
今回のデザインはこちら。7ミリの高さの切開線です。
これをみてこう思うかたが大半でしょう。
「なぜたるみをとらない!」
そりゃ皮膚切除が好きな私からすれば、たるみを取りたいですよ。
でもこうデザインした理由があるんです。
これ以上1ミリでも二重の線をあげると、蒙古ひだの上にシワが入るため、
ご希望の末広型ではなくなってしまいます。
今回は目頭のかたちを最優先とするため、皮膚切除なしとしました。
皮膚のたるみがもちろん残ると予想されますが、
それは手術後3ヶ月以降で眉下切開でたるみ取りをすれば、
末広のままスッキリとしたまぶたが手に入ります。
左右の挙筋前転術の手術直後。
今回は逆さまつげの処置もしたので二重の線より下の内出血が目立ちます。
逆さまつげの処置なしであればもうすこし腫れは少ないです。
手術中の痛みは全くなく過ごせたとのこと。
抜糸時(手術後7日)です。
いい感じです。左右差もなく、成功という文字がちらつきます。
抜糸時にもし大きな左右差や三重まぶた(予定外重瞼)があれば、
当日にサクッと治しましょう。
術後1か月です。
大成功です。
まぶたのアーチもきれいで、二重も希望通りの末広型になっています。
このかたは頭痛肩こりなどの症状はほとんどなくなったようです。
でもまだ腫れてます。なので、二重幅はまだ狭くなってしまいます。
いつか眉下切開が必要です。
術後3か月。
腫れはだいぶ落ち着きました。
きずもきれいで、ふしめも自然ですね。
目をとじたときの線は傷自体ではなく、たるみによるものです。
ここまでくればいつでも眉下切開可能です。
眉毛の下の皮膚が分厚い部分でたるみをとって、目元を一気に若返りさせることができます。
私は若返り専門医ではありませんが眉下切開も得意ですよ。
術前術後をならべてみました。変化がわかりやすいですね。
こんな感じで日々コツコツと手術しています。
初回手術でも修正手術でも、
保険治療でも自費治療でも、
お気軽にカウンセリングにお越しください。
専門知識と経験をふまえて30分しっかりとお話いたします。
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手術内容:挙筋前転術
早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、稀に結膜浮腫
見た目のリスク:まぶたの開きの左右差、二重の左右差、まぶたのアーチの不整、
予定外重瞼(三重)、二重のくいこみ、キズアト(場合により2本)、
二重の消失、二重が浅くなる、眉毛がさがる、うわまぶたが厚ぼったく見える、など
機能面でのリスク:兎眼、ツッパリ感、視力の変化、眼瞼痙攣、ドライアイ、角膜炎、霰粒腫など
料金:保険適応で約45000円(3割負担)
自費治療で60万円(税別)