王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重と逆さまつげと

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂と逆さまつげなどの治療について紹介していきます。

眉下切開の真実 きずあとと眉毛の高さ  50代女性

形成外科専門医の王子です。

 

こないだインフルエンザの予防接種を打ってもらいました。

細い針でゆっくり打ってもらったので全然痛くなかったです。

看護師さんありがとう。

 

予防接種も大切ですが、冬はとにかく手洗いうがいを頑張りましょう〜

 

今日は眉下切開の症例です。

眉下切開も多数こなしているのですが、ブログに掲載している症例が少なかったので

どんどん載せていこうと思います。

 

眉下切開(眉毛下皮膚切除)で若返り

 

「ぱっちり二重にはなりたくないけど、たるみをとりたい」

「目元の印象はあまり変えたくないけど、目元を若返りさせたい」

こういったご要望はちらほら聞きます。

そんなときには眉下切開がいいですね。

眉の下で分厚い皮膚を切除することで自然な感じを維持しながら

たるみとりと若返りを実現できるのです。

 

「こうなったらいいのにな。」

 

って鏡の前で眉毛を押し上げるのは30代以降の女性であれば

誰でも一回は経験があるはず。

てなわけでほぼすべての人が一生に一回は適応になる素晴らしい手術です。

でも誰がやっても素晴らしい手術になるとは限りません。

洗練されたデザインと高い縫合技術があって、

初めて素晴らしい結果になります。

 

デザインや縫合が甘いと、

きずが眉毛から離れたり、

きずの幅が広かったり、

二重の外側だけ広がったり、

きずの外側がつれるような感じになったり、

色々な合併症があります。

 

世の中には色々なクリニックがありますが、

なかでも私が驚いたのは、

眉下切開を中縫いなしでやるクリニック。

スタンダードは中縫いなしで、表縫いだけ。

それで30万なかば。

アドバンスになると中縫いをするらしいのですが、

そうすると料金が50万以上になってくる。最高料金は90万台。

人を騙すことが生きがいな人間にはなりたくないですね。

 

少々脱線しましたが、

眉下はよい手術ということをいいたかっただけですからね。

 

さて術前の写真です。(片側写真のご了承です。ありがとうございます。)

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「まぶたが重たい。頭痛がひどい。」

というお悩みでした。

実際に診察してみると、眉毛のあがりが強く、おでこのシワもくっきりで

頭痛のつらさが容易に想像できました。

目を閉じた状態でもたるみが強く、お化粧もしにくい状態でした。

黒目の大きさは通常程度であり、

眼瞼下垂手術(挙筋前転術)よりも眉下切開のよい適応です。

眉の下で皮膚をとることによって、いままでより軽い力でまぶたをあけることができるようになり、おでこのシワを軽くすることができます。

ちなみに、このタイプのまぶたは二重の線で切開するのは要注意。

内側のシワに悩まされることが多いのです。

 

これが今回のデザイン。

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最大で11mm切除です。

二重のきずは目をとじたら見えませんが、眉下のきずはばっちり見えてしまうので

特にデザインには時間をかけます。

 

直後です。

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麻酔を最小限でやるのがコツのひとつ。

麻酔の打ち方にもこだわりがあります。

 

抜糸時(術後7日)です。

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きず、きれいですね。

抜糸するときには、内出血さえなければ、腫れはこの程度です。

内出血してしまうと、長くて2-3週間、あざがでてしまいます。

ご迷惑をおかけしてしまいますがお化粧で隠してもらいます。

 

このかたはこのときから頭痛が軽くなったと喜んでいただけました。

 

 

術後1か月。きずが赤くて硬くて嫌になっちゃう時期です。

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赤みが少なく順調な経過です。

まぶたはまだむくみが残る時期ですよ。

 

術後3か月です。

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まぶたのむくみもなくなり、きずも落ち着いてきました。

やってよかった感が満載です。

 

術後5か月です。この時期で完成です。

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目元の印象をあまりかえずに、若返りできました。

目をとじたときの、まぶたのシワシワ感の改善も見事です。

 

きずよく見えないよ!画質悪すぎ!修正してんじゃないの?

と思ったかたへ、

きずの拡大写真です。

眉毛は少し書いていますが、きずへの化粧はもちろんなしです。

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きれいですね。お化粧で隠さなくても大丈夫なくらいです。

参考にしてください。

写真使用のご快諾ありがとうございます。

 

 

ここで、こう感じたかたもおられるでしょうか。

 

「眉下切開したのに全然二重幅広くなってないじゃん。」

 

、、、その通りです。

比較写真をみてください。

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劇的には二重の幅は変わっていません。

しかし注目すべきは眉毛の高さと、赤い血管腫(矢印)の高さの変化です。

眉毛はかなりさがり、赤い血管腫の高さは皮膚切除量の半分程度あがりました。

このかたのように、もともと眉毛をあげて目元を軽くしようとしていたかたは、

皮膚を切除した分、眉毛がさがってきて、おでこが楽になるのです。

つまりは皮膚を切除した分の半分程度は眉毛をさげる効果、

残りの半分程度が二重幅を広げる効果となるのです。

 

ついでに目をとじたところの比較です。

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激変しました。

ここに注目する人はあまりいないのですが、

私の一番好きな変化はこれなんです。

目をとじたときのシワがなくなるだけでとても若返るのです。

この変化は見てるだけでも気持ちいいですね。

 

今回の記事はかなり参考になったんじゃないでしょうか。

ちなみに20−30代のかたに対する眉下切開は、考え方もやりかたも少し違いますよ。

 

最後にひとこと。

 

眉下切開が得意だのなんだの、グループ内ナンバーワンなどと

おっしゃるドクターはやまほどいますが、

信じるか信じないかはあなた次第

 

信じるものは救われる。

 

という言葉はいかに。

 

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手術内容:眉下切開(眉毛下皮膚切除)

早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、赤み、埋没糸膿瘍など

見た目のリスク:きずが目立つ(傷の色、幅、位置など)、皮膚のつれ、眉毛がさがる、まぶたのたるみの残存、二重の変化など

機能面でのリスク:ツッパリ感、しびれ、感覚鈍麻など

料金:保険適応:約38000円(3割負担)

   自費治療:40万円(税別)