形成外科医の王子です。
こないだからゼオスキンはじめました。
ぼろぼろ。がさがさ。です。
男性は反応しにくいので、独自メソッドで皮むけがしっかりでるように調整しています。
いつか経過の写真をのせようかと思ってます。
さて、本日はびっくり目(過開瞼)の治療です。
他院で眼瞼下垂手術をしたらびっくり目に。
びっくり目は医学的には過開瞼(かかいけん)といいます。
眼瞼下垂手術が普及するにつれ、お困りのかた多くなってますよね。
挙筋腱膜を強く固定しなければびっくり目にはならないのに。
って単純に思うのですが、単純なことが難しいんでしょうね。
けっこうありがちな合併症ですので修正手術を頼まれることが多いです。
「美容外科で手術を受けるとびっくり目になりやすいのですか?」
と聞かれることもありますが、そんなことはありません。
手術する人のやり方次第です。
つまり、眼科、形成外科、美容外科のどの科で手術を受けても過開瞼になることがあります。
意外と保険診療の手術でびっくり目になっている人が多い気もします。
さて症例をご紹介。
某大学病院眼科で片目の眼瞼下垂手術を2回うけたかた。
初回手術した際にびっくり目になり、2回目の修正手術をしても全く変わらずびっくり目になり。
見た目ももちろん、目の乾燥感や充血などの症状で困り果てていたようです。
「三度目の正直」
ではなく、
「二度あることは三度ある」
ですから、3回目の手術は私を頼っていただきました。
術前の状態。今回の写真はコメント付きにしてみました。
びっくり目ですね。
一枚目の写真をみてください。
まぶたが開きすぎて、おでこの力が抜けて眉毛がさがり、その影響でたるみが強くでています。
そのたるみの影になって見えにくいのですが、 たるみの奥で白目がばっちりでてしまっているのです。
「過開瞼の修正の結果は不安定。
つまり今より下げることはできるが、どのくらい下げられるのかどうか保証できない。」
ということをやんわりとお伝えして、ご理解をいただくことは必須です。
弱音とか保身とか言い訳ではなく、経験からくる真実なのです。
さあ修正しましょう。
まずはデザイン。
まぶたの中身を想像し、出来上がりをイメージしながらのデザインです。
チョキチョキチョキ。
丁寧に組織をさばいて。
むむっ
筋肉がよくない位置に固定されているのを発見
不適切な固定を解除し、できるだけ筋肉を延長して再度固定。
手術直後。
もちろん麻酔の影響もありますが、確実に下がってます。
でもここからが勝負です。
直後に下がっていても、だんだん上がっていきます。
どこで上がり止まるかです。
手術後2日。
腫れのピークですが、そんなに腫れてませんね。
まぶたの開き具合はいい感じですが、油断は禁物です。
結果がでる術後3か月。
目も閉じきれるようになり、目の乾燥感、充血などはすべて改善しました。
3枚目、4枚目の写真をみると明らかに開きが弱くなってますね。
成功です。
目を思いっきりあけたとき(最大開瞼)の術前後の比較の画像です。
いい感じですね。
でも、1枚目の写真をみてこう思うかたもいるのではないでしょうか。
「なぁんだ、あんまりさがってないじゃん」
そうです。まだ開きは大きく見えます。
これには理由が2つあります。
ひとつは、手術前は眉毛が下がりきっていてたるみが多くみえたので、
たるみで隠れる分、見た目の大きさが小さくみえたことです。
術後に眉毛の位置が元に戻り、たるみが改善した結果、見た目の大きさはすっきり大き目に見えてます。
二つ目の理由が一番大事。こちらの両目の写真をみてください。
もう片方の目、つまり向かって左側の目が眼瞼下垂であり、
その影響で両方のまぶたを一生懸命あげようとしてしまうのです。
なので、向かって左側の眼瞼下垂症を治療して開きやすくすれば、
まぶたを開こうとする余計な力が抜けてバランスがよくなるはずです。
(美容外科医の好きな単語のひとつ、ヘリングの法則です。)
お写真のご協力ありがとうございました。
過開瞼が治って生活がとてもしやすくなったとお喜びになってくださいました。
(もう手術は怖いので、もう片方の目の眼瞼下垂治療は当分見合わせるとのことです。)
過開瞼(びっくり目)の治療は複雑で難しいです。
経験豊富なかたにお願いするのが吉。
そしてなによりも、
びっくり目にならないように手術することが一番大切です。
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手術内容:眼瞼下垂症修正手術(挙筋後転術)
早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、稀に結膜浮腫
見た目のリスク:まぶたの開きの左右差、二重の左右差、まぶたのアーチの不整、
予定外重瞼(三重)、二重のくいこみ、キズアト(場合により2本)、低矯正、過矯正、
二重の消失、二重が浅くなる、内側と外側の二股、眉毛がさがる、うわまぶたが厚ぼったく見える、など
機能面でのリスク:兎眼、ツッパリ感、視力の変化、眼瞼痙攣、ドライアイ、角膜炎、霰粒腫など
料金:保険適応で約23000円(片目料金、3割負担)
自費治療で約42万円(片目料金、税別)