王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重と逆さまつげと

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂と逆さまつげなどの治療について紹介していきます。

くぼみ目と三重まぶたを治すための眼瞼下垂手術

形成外科専門医の王子です。

 

私は最近なにもしていないようにみえて、

浦和のオジスキンクリニックでひっそりと手術しています。

とはいえ、浦和駅北口の目の前なのでひっそりでもないのですが。

そして優秀なスタッフたちのおかげで、

クオリティを落とすことなくスムーズにストレスなく手術できています。

ありがたい限りです。

 

埋没法の手術件数が想像以上に多く、埼玉県の埋没法の需要の高さを感じます。

 

10月も残り半分。風邪ひかないように頑張りましょう。

 

本日は眼瞼下垂手術のご紹介。私が大好きな手術です。

 

くぼみ目と三重まぶたを治すための眼瞼下垂手術

 

くぼみ目。三重まぶた。

もともとまぶたが薄いかたはこれらに悩ませられることが少なくありません。

ご相談もよくいただきます。

もともと二重まぶたで、なにもまぶたに困ったことのない女性からの相談が多いです。

 

だんだんと二重が安定しなくなって、三重になって、

お化粧もうまくできなくなって、しまいにはくぼみ目で疲れて見える。

 

ここまでくるとさすがに治したくなりますよね。

 

軽度のくぼみ目であればヒアルロン酸注入がよいでしょう。

軽度の三重まぶたであれば埋没法でもいける場合もあります。

しかし、しっかりしたくぼみ目と三重まぶたには手術しかありません。

ベースに眼瞼下垂症がある場合が多いからです。

 

うんちくは苦手なので症例をご紹介します。

 

40代女性。もともと二重まぶたのかた。

ソフトコンタクトレンズの着用歴は20年以上。

最近まぶたが重くなり、くぼみ目が目立つようになったと。

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思いっきりまぶたをあけても、黒目が全部でません。

まぶたを開きたいのに開けない。

だから眉毛をあげてできるだけ開くように頑張る。

頭痛必発です。かなりしんどい状態です。

それに加えて、二重まぶたはなくなり、数本の三重まぶたとなっており、

整容面でもご納得のいかない状況でしょう。

 

ここまでくれば切る眼瞼下垂手術のよい適応です。

(糸による切らない眼瞼下垂手術でも多少改善はしますが、

脂肪の移動などは切開の眼瞼下垂手術でしかできませんので、このくらいのくぼみ目は切開式がよいでしょう。)

 

 

デザイン。

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皮膚切除なし。7.5㎜の切開線。

三重まぶたの線に点線マーキングをしています。

 

術中所見は挙筋腱膜のゆるみが強く認められました。

挙筋腱膜を縫合して修復したところです。

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何度も目を開いてもらって、目の大きさや形を微調整。

根気強くやる必要があります。

また、眼窩脂肪という脂肪のかたまりを中央のくぼみ目の部分に移動しています。

 

手術直後の腫れはこのくらい。少な目です。

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7日目に抜糸しました。

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劇的な改善です。

抜糸のときにこれだけ整っていればたいてい良い経過となります。

この時点で三重まぶたがあれば即修正です。

大事なことなのでもう一度いいますが、

即修正です。

 

 

手術後1か月。誰しもが心配になる時期。

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目の開きがとてもよくなっています。

頭痛肩こりも軽くなったとのことでした。

そしてこの時期に皆様が気になるのは二重の食い込みです。

食い込みが強すぎると最終的にも二重の食い込みが残りますが、

食い込みが弱すぎても二重がとれてしまったりとよくないことが起こりえます。

ちょうどよいくらいの食い込みが必要ってことです。

術後1か月くらいの時期はこの写真のように少し線が入るくらいの食い込みが適切だと考えております。

それを安定して表現するのがとても難しいことなのですが。

 

術後7か月。完成です。

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まぶたの開きの後戻りはなく良好です。

睫毛側のぷっくりしたむくみもひいて、すっきりした二重になっていますね。

三重まぶたもなく安定した二重まぶたです。

 

患者様も医者も

 

やってよかった。

 

と思える瞬間です。

 

お写真の使用のご快諾ありがとうございました。

 

 

手術前後の写真を並べて比較してみましょう。

 

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目のひらき、目の形、二重幅、すべてばっちりですね。

左右差もほぼなく仕上がっていますが、片目のご承諾ですのでご理解ください。

(今後は個人情報の観点から片目の症例提示が多くなると思われます。)

 

 

ちょっと待ってください。

くぼみ目があまり治っていないんじゃ?

 

とツッコミをいれてくれるかたは正直者です。

 

おっしゃる通り、くぼみ目は少し改善していますが残っています。

実はご自身の眼窩脂肪の移動固定だけですと改善には限界があります。

眼瞼下垂手術でくぼみ目が完全によくなることはありません。

目の開きがよくなって、眉毛がさがることで、

くぼみ目がよくなってみえるだけです。

 

なのでくぼみ目は眼瞼下垂手術である程度治したあとに、

注入治療で仕上げが必要になる場合もあることをお忘れなく。

 

 

 

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手術内容:眼瞼下垂症手術(挙筋前転術)

早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、稀に結膜浮腫

見た目のリスク:まぶたの開きの左右差、二重の左右差、まぶたのアーチの不整、

予定外重瞼(三重)、二重のくいこみ、キズアト(場合により2本)、低矯正、過矯正、

二重の消失、二重が浅くなる、内側と外側の二股、眉毛がさがる、うわまぶたが厚ぼったく見える、など

機能面でのリスク:兎眼、ツッパリ感、視力の変化、眼瞼痙攣、ドライアイ、角膜炎、霰粒腫など

料金:保険適応で約45000円(3割負担)

   自費治療で約60万円(税別)