王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂の治療について紹介していきます。

逆さまつげ手術で目が大きく見える。の続きと経過。

もはや名乗らなくてもわかると思いますが王子です。

浦和のオジスキンクリニックというところで働いています。

浦和は綺麗で住みやすくていい街です。

 

手術といえば相変わらず、

二重埋没、二重切開、二重修正、眼瞼下垂手術などが多いですが、

逆さまつげの手術も定期的にご依頼いただいております。

 

ありがたい限りです。

 

オジスキンクリニックでは自費で逆さまつげ手術をしており、

正直、安くないです。

それでも私の手術を求めてきてくれるかたに全力でこたえています。

 

最近はまつげの観察をしすぎて、

「このまつ毛は手術でかなり外向きにできますが、このまつ毛とこのまつ毛は手術しても矯正が甘くなります。」

など細かすぎるところまで把握できるようになってきました。

2、3年前の自分と比べると明らかに知識と経験が一回り違います。

 

でも。

 

それでも難しいのが逆さまつげ手術。

これは二重手術と違ってビギナーズラックは全くありません。

 

知識と経験と技術を総動員してようやくある程度安定した結果が得られる手術です。

 

研修医がやっても絶対にうまくいきません。

経験の少ない医師ほど、

 

「逆さまつげの手術なんて簡単。」

 

などと思いがちですが、そう思える人はむしろ幸せなんじゃないかと。

この手術の奥深さと難しさに気がついてしまうと私のように沼にどっぷりとはまってしまいますから。

 

ということで前回の記事の続きにまいりましょう。

https://mabuta-blog.hatenablog.com/entry/2021/09/11/002616

 

逆さまつげ手術で目を大きく見せる。

 

10代女性。逆さまつげで長い期間お悩みだったかた。

 

術前。

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しっかりとした逆さまつげですね。

逆さまつげを細かく手術している身として観察すべきポイントは、

逆さまつげの範囲

まつげの向き・密度・太さ

まつげの列が何列くらいあるか

です。よく見て手術をイメージします。

 

形成外科といえばデザイン。デザインといえば形成外科。

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丁寧に測ってデザインして、デザイン通りに切る。

これが基本であり最も大切なことです。

特にまぶたは切開のデザインが結果に直接反映する部位なので、他の美容手術とは違います。

 

この赤ペンでも超極細の油性ペンですが、現在はもっと細いペンを使用しています。

ただデザインが消えやすいので要注意です。

ちなみにこの線のなかでも、

この線の上の縁を切るか、ど真ん中を切るか、下の縁を切るか、

そこまで意識してメスを入れます。

 

手術は約2時間程度。

正直、二重切開より手術はつらいかもしれません。

しかし、麻酔方法にも研究を重ねたので、

最初の麻酔が済めば、あとはほぼ痛みを感じないように麻酔を追加できるようになりました。

(いままで手術中盤で痛みを感じさせてしまった方々には申し訳ありません。) 

 

抜糸は7日目が好きです。

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逆さまつげの手術はそこまで腫れませんが、なんだかキズが痛々しいです。

 

これほんとに大丈夫?

 

って思うのが普通です。

私も毎回少し心配になります。

けれども、手術中に組織を愛護的に扱って、丁寧に縫合していれば綺麗に治ることがほとんどです。(あくまで私の場合)

 

1か月。心配ど真ん中の時期。

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キズが見えます。

赤い。

人によっては目頭側のきずがケロイドのように硬くなることもあります。

 

そして少し後戻りもあります。

まつ毛の向きが戻ってきています。

 

キズ綺麗に治ってくれ。

まつ毛、そのままの角度で止まってくれ。

 

と毎日願うような、そわそわする時期なんです。

1か月目は。

 

だいぶとんで手術後6か月。完成に近づきます。

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きずがほぼ見えなくなりましたね。

まつ毛の後戻りも少なくて、良い経過で喜んでいただけました。

写真使用のご快諾ありがとうございました。

 

以前にも何度か記事にしていますが、

逆さまつげ手術の最優先の目標は

きずが目立たないことです。

きずが目立たなければ後戻りしたっていいんです。

きずが目立たなければ少しだけ再発したっていいんです。

そのくらいきずのほうが優先なんです。

だって下まぶたのきずは、目を開けても閉じても見えてしまうから。

 

もちろん私はきずを目立たせず、再発させずを目標にやっています。

ひっそりと独自の方法でやっています。

 

術前術後の写真をよく見比べてみましょう。

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目大きく見えてますね。

これはまつ毛の縁の粘膜が綺麗にみえるようになっているから。

 

そしてなぜだか涙袋がくっきりしている。

このタイプのかたによく見られるよい変化です。

涙袋もタイプがいろいろとあるんです。

 

ななめからの写真を比較。

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いいまつげの角度ですね。

意外と知られていませんが、この手術はまつげの本数が減ることがあります。

10パーセントくらい減ることが多い印象です。

しかし、このかたはほとんど減っておらず、とてもよい経過です。

 

この時期まで経過をみてほっと一安心。

経過をみることも執刀医としての責任なんです。

 

 

 

最後に美しいななめからの写真を再掲。

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手術内容:逆さまつげ手術(中縫い法)

早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、稀に結膜浮腫、結膜下出血

見た目のリスク:きずのくいこみ、キズアト、眼瞼外反、涙袋の形態の変化など

機能面でのリスク:睫毛内反の再発、睫毛乱生、霰粒腫など

料金:自費治療で40万円(税別)(中縫い法)