形成外科専門医の王子です。
手洗いうがい頑張ってますか?
私は診察時に患者さんのまぶたを触りますが、
診察前に両手を必ずアルコール消毒していますので安心してくださいね。
ひとつひとつの積み重ねが大切です。
さて、本日は意外と需要の多い逆さまつげ(睫毛内反症)の治療について。
逆さまつげを綺麗に確実に治す。
30代女性の患者さんです。
幼いころからある逆さまつげの治療をご希望されました。
術前。
眼球に触れそうですね。中等症〜重症の逆さまつげです。
こういう場合は中縫い法を行います。
丁寧にデザインを。
中縫い法は、溶ける糸を使ってまつげを外向きにする方法です。
糸のかけかたによって得られる結果が全然違います。
素人先生がやると全然だめなんです。
後戻りが強かったり、外反しすぎたり。
この手術は簡単そうに見えますが、経験と技術、どちらも必須です。
手術直後。
片側約20分くらい。
腫れてませんね。下まぶたは腫れにくいのです。
そして直後はわずかに矯正が強いくらいがいいんです。
「わずかに」というところがポイント。
この矯正具合が結果に直結します。
術後7日目、抜糸をする日。
腫れてませんし、内出血もありません。
まつげの外向き加減も絶妙です。
術後1か月。
キレイです。わずかに後戻りしてちょうど良い加減になりました。
術後3か月。落ち着く時期です。
(髪の毛が写ってしまって申し訳ありません。)
傷も目立たず、まつげの向きも綺麗にそろいましたね。
術者としても満点に近い仕上がりだと感じます。
術前後を比較してみましょう。
どうでしょうか。
もちろん大満足していただけました。
ここまでキレイに手術できて、写真もキレイに撮れると気持ちいいですね。
症例写真使用のご快諾ありがとうございました。
逆さまつげの手術と涙袋の関係について
「逆さまつげの手術をすると涙袋はなくなりますか?」
よく聞かれる質問です。
私の答えは、
「涙袋のふくらみは変化します。すこし小さくなることが多いです。
なぜなら涙袋の正体である眼輪筋を切開しなければならないからです。」
写真をよく見てみましょう。
術後に涙袋は残っていますが、術前と比べると涙袋のふくらみは減っています。
涙袋のふくらみは眼輪筋が収縮してできますが、
手術によって眼輪筋の機能が一時的に落ちるので涙袋が小さくなるんです。
術後6か月〜1年かけて眼輪筋の機能が回復していくので、
それに伴い涙袋のふくらみも少し回復しますが、完全に元どおりまではいかない印象です。
逆さまつげはしっかり治したいけど涙袋も保ちたい。
その気持ちよくわかります。
涙袋のふくらみをなるべく保つ上で、一番重要なこと。
それは眼輪筋をとりすぎないことです。
うわまぶたの二重の手術と一緒ですね。
余計な組織切除はしない。余計な操作はしない。
基本です。
そもそも逆さまつげと涙袋の関係すら考えてない医師がほとんどだと思います。
正確に手術をして、正確な記録でフィードバックする。
これができる人は限られます。形成外科は意外とテキトーな人が多いです。
私はこれからも愚直にコツコツと努力と経験を積み重ね、
できるだけ多くの方に貢献できるように生きていきます。
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手術内容:逆さまつげ手術(中縫い法)
早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、稀に結膜浮腫、結膜下出血
見た目のリスク:きずのくいこみ、キズアト、眼瞼外反、涙袋の形態の変化など
機能面でのリスク:睫毛内反の再発、睫毛乱生、霰粒腫など
料金:自費治療で32~40万円(税別)(中縫い法)