形成外科専門医の王子です。
オセロアプリのコンピューターが強すぎて全然勝てず、
毎日切磋琢磨してます。
本日は前回のブログのかたのうわまぶたについてです。
「後医は名医」
好きなことわざです。
しかし前医を批判して、みずから名医になろうとする人が多すぎます。
前医を批判することなく、結果だけで名医となるのが一番ですね。
以前に海外で上まぶたと下まぶた手術を受けたかたです。
デザインの希望も言う暇もなく静脈麻酔で寝かせられた後に、
気がついたら終わっていたようです。
したまぶたは皮膚を切り取りすぎてあっかんべーとなり、
うわまぶたはとんでもない位置で切開され、
かなり広い二重まぶたになりました。
最初に修正手術前と術後2年の写真を。
さてどんな経過をたどったか、
写真をみていきましょう。
術前の写真です。
あっかんべーもあいまってかなりつらそうです。
幅をせまくしたいとのことでしたので、
幅をせまくする修正です。
眼瞼下垂症状もありましたので、挙筋前転術も併用しました。
実線のところを切開して、点線(前医での切開線)
の部分をしっかり剥離します。
抜糸時はこんな感じです。
もちろん腫れはありますが、メガネをかけて外出できる範囲でしょう。
術後1か月です。まだむくみがあって幅が広くみえています。
術後3か月です。かなり落ち着いてくる時期です。
きずもほぼ目立ちません。
術後半年です。手術経過としてはほぼ完成ですが
まだまだ経過をおわせてもらいました。
術後1年です。ここまできました。
このあと、前記事で紹介した下まぶたあっかんべー修正術をやりました。
最後にもういちど術後2年の写真と術前の写真をならべてみます。
下まぶたも修正もあいまって、かなりいい感じです。
加齢と眉毛下垂に伴うまぶた内側と外側のしわは
完璧に改善するのは難しいですが、
合格点ではないでしょうか。
私はデザインも術中も強迫神経症のように左右差を気にするので、
本当は左右のバランスもばっちりですが、片目だけの写真のご承諾です。
写真使用のご快諾ありがとうございました。
幅をせまくする手術、
需要高いです。
美容外科で幅広二重になってしまった若い人も、
保険手術で結果として幅広にされてしまった中高年のかたも、
困っている方がたくさんいらっしゃる印象です。
しかし気をつけなければならない点はいくつかありますし、
簡単なものではないようです。
やりかたと現在の私の考えを次回以降に述べます。
ぶれずにマニアックにいきますー。
施術内容:眼瞼下垂症手術。新たにせまい二重の線で切開し、前医の瘢痕の下を剥離して、挙筋前転を行います。二重形成法は症例により変えます。術後、全例で予定外重瞼の予防策を行います。
合併症:腫、出血、血腫、感染、きずあと(瘢痕)、皮膚の感覚鈍麻(アイラインの部分)、皮膚の引きつり感、まぶたの形の異常、まぶたの開きの左右差、低矯正、過開瞼、兎眼、ドライアイ、角膜炎、視力の変化、眉毛下垂、内側と眉間のシワ、眼瞼痙攣、二重のラインの左右差、きずの部分の凹み (陥凹)、三重まぶた(予定外重瞼)、 二重のラインが浅くなる・消える、二重の乱れ(外側と内側の二股)、二重の線ときずあとのわずかなずれ
料金:けがや保険手術の後など、保険適応と判断できれば144000円の三割負担(両目)
美容手術のあとなど、自費治療であれば両側で55万円(税別)+つりあげ法6万円(税別)