どうも形成外科専門医の王子富登です。
正しい眼瞼下垂治療、まぶた治療の普及のために、
本日もブログ更新です。
どのくらい切り取ればよいのか。それが一番難しい。
眉毛下皮膚切除はよい手術ですが、
切除量が少なすぎたり、
適応を見誤ると、
効果があまりでずにきずだけが残ります。
術前の写真を再掲します。
眉毛下皮膚切除のよい適応です。
シミュレーションを入念に行なってからデザインします。
この状態で最大幅20mm切除しました。
眉毛下切開の皮膚切開には、
- 通常通りほぼ垂直に切り込む方法
- 毛根の向きに平行に切り込む方法(毛包斜切断)
があります。
眉毛の密度や生え方に応じて変えることはありますが、
基本的には毛包斜切断を採用することが多いです。
毛根が温存されて、きずあとから毛が生えてきます。
その毛包斜切断で皮膚を切除したところです。
毛根が温存されているのがわかります。
白っぽくみえるのは、眼輪筋(目を閉じる筋肉)の筋膜です。
さて、眼輪筋の処理方法ですが、いくつかあります。
①眼輪筋のタッキング
②一部切除して眼輪筋同士を縫合
③まつ毛側の眼輪筋弁を、眉毛下の骨に固定
術前の眉毛の位置やくぼみ目の程度、皮膚切除量を総合評価して、
どの処理にするかを決めます。
今回は②を採用しました。
眼輪筋処理後に、丁寧に縫合して終了です。
真皮縫合は多めです。
手術直後の写真です。
抜糸時の写真です。
眼輪筋処理を行なっているので、やや皮下出血が多めにでました。
大きな左右差や、皮膚のツレはなく、良好な経過です。
術前と術後1ヶ月の比較写真です。
瞳の中心がしっかりでて、見やすくなりました。
術後1ヶ月のきずのアップです。
きずの赤みは一番強い時期です。
これからどんどん馴染んできます。
写真使用のご快諾ありがとうございます。
眉毛下切開にはさまざまな方法、デザインがあります。
そのかたのまぶたのタイプ、眉毛の位置や生え方、骨格など、
すべてを考慮して、デザインや手法を決めるのが大切です。
この手術の関してよく聞くセリフ、
「眉毛の下の皮膚を切り取るだけなのですぐ終わりますよ。」
「目元の印象はあまり変わらずに若返りますよ。」
「きずなんてまったくわからなくなります。」
「二重の幅広げましょうか?」
適切な判断と手技であれば、このセリフは正しいのですが、
どこの施設でもそれができるわけではありません。
いわれるがままにこの手術を選択してしまい、
眉毛の下にきずが残っただけ、
眉毛の外側がふくらんだだけ、
とならないようにしましょう。
眉毛下皮膚切除を行なっております。
慎重に適応を判断して、適切な手術をご提案します。
ぜひ一度ご相談にいらしてください。