王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重と逆さまつげと

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂と逆さまつげなどの治療について紹介していきます。

二重手術 切開法のきずあと と 切開法の都市伝説

形成外科専門医の王子です。

 

 

すみません、諸事情によりブログの更新を怠っていました。。。

避けられない事情です。。。泣

 

 

 

二重手術や眼瞼下垂手術後にきずが汚くて悩んでいるかたはいませんか?

 

きず、気になりますよね。

 

 

きずを雑に扱い、雑に縫うときずが汚くなりがちです。

しかし、形成外科医が丁寧に縫ったとしても二重のきずあとが目立つ場合があります。

 

それは二重の線をしっかりクセづけするための縫合を強くしすぎた場合です。

 

具体的には、二重を作る縫合の際に、

皮膚を瞼板に縫い付けたり、

まつげの根元がみえるように皮膚を挙筋腱膜の奥のほうに固定した場合には

きず自体が凹んでしまい、

凹みがきずを汚く見せます。

それ以外にも眼輪筋(がんりんきん)などの組織をとることも

きずの凹みにつながります。

 

眼輪筋をザクザクと軽快に切除している手術をたまにみますが、

あまりよくないことです。

とった組織はもどってきません。

 

 

逆に、まぶたの皮膚をただ切って縫うだけならきずは本当に目立ちません。 

つまり、二重の線をしっかりクセづけするための縫合を弱くすれば、

きずが平らで自然に近くなります。

 

 

けれどもここにも落とし穴があり、

 

きずが凹まないようにすると二重が外れやすい。浅くなりやすい。

 

すなわち、これをやりすぎると

 

切開法のあとに二重が消える

 

という悲しい事態におちいるのです。

 

 

切開法の二重はとれない。

 

は都市伝説です。

一生懸命やってもごくたまーにとれます。

クレームですね。笑

 

 

まとめると、

 

きずが凹まず、二重も長持ちするような

適切なさじ加減が重要です。

 

 

 

 

ちなみに、マニアックな話ですが、

切開線=二重の線

という常識から外れて、

切開線は切開線で綺麗に縫ってなおして、

二重は切開線のすぐ近くにつくる方法であれば、

きずが目立ちにくいです。

つまり、切開線とは別に二重をつくる方法です。

この方法はあまりやられていませんが、とてもきれいなきずになります。

 

でも実際にはこの方法は二重の線の正確なコントロールが難しいのです。

この方法が主流にならない理由ですね。

 

 

最後にひとこと。

 

二重や眼瞼下垂の手術前、手術後の写真で、

まぶたを閉じたところの写真をだしていないクリニックは

ちょっと怪しいと思います( ´∀`)