どうも形成外科専門医の王子です。
千葉県の東邦大学医療センター佐倉病院で働いています。
眼瞼下垂症例数は千葉県内で最多です。
本日は水曜日で手術日でした。
空いた時間に当院の眼科の先生の手術を見学させていただきました。
老人性のまぶたの内反の手術でした。
顕微鏡を使っての手術は見方が変わりますね。
他の先生の手術や他の科の手術を見るのはとても勉強になります。
ありがとうございました。
本日の症例写真は他院で眼瞼下垂症手術をうけたかたの修正手術です。
「近くのクリニックで眼瞼下垂症手術をすすめられ、
まず片方だけ手術をうけましたが、
まったくまぶたがあがりませんでした。」
悲しげな表情で外来にきた患者さん。
近くのクリニックで片方ずつの眼瞼下垂症手術を受けましたが、
なにもかわらないどころか、きずあとが目立って不安とのことで、
手術1か月後に当院にいらっしゃいました。
通常は他院の修正手術は術後6か月以降しか受けないのですが、
このかたはどうしてもはやく治してほしいとの強い希望があったため、
術後3か月弱での手術を引き受けました。
術前の写真です。
かなり高い位置に切開線があるのがわかります。
皮膚のギャップもあるので、皮膚切除は行ったのでしょうが、
まぶたはまったくあがっていません。
赤線の間の線がきずです。
術後1か月の写真です。
とても良い仕上がりです。
赤い点線が前の手術でのきず、黄色の点線が今回の切開線です。
きずはさらになじんでいくでしょう。
患者さんには本当に本当によろこんでいただけました。
片目の写真の使用を快諾していただき、ありがとうございました。
眼瞼下垂症や眼瞼下垂症手術はテレビや雑誌などでよく取り上げられ、
世間での知名度もあがってきています。
そして眼科、皮膚科、美容外科、形成外科と多くの科で手術がおこなわれています。
それに伴って手術の失敗や修正も増えています。
「なんで前の医者はこんな手術をしたのか。」
「ひどい結果ですね。」
と前の手術を批判するのは簡単ですが、最初に手術をした医者も、
悪いことをしようと思って手術をしたわけではないでしょう。(多くの場合で。)
そしてどの施設でも経験が多いわけではないので、
わからないことやうまくいかないことがあるのも理解できます。
なので今後は患者さんがどこの施設でも安心して初回手術が受けられるように、
一定の水準の手術を普及させることが重要ですね。
次回は今回の手術のデザインと経過をお伝えします。