王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重と逆さまつげと

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂と逆さまつげなどの治療について紹介していきます。

男らしくかっこよく仕上げる眼瞼下垂症手術。 目頭側の二股との戦い 20代男性

今年の目標は何にしようかと考えていたら2月になってしまいました。

王子です。

 

 

 

さて、本日は若い男性の眼瞼下垂治療です。

目頭側の二股と戦う話です。

 

男らしくかっこよく。奥二重末広希望。

 

とにもかくにも写真です。形成外科は写真と動画しかないんです。

ということで術前。

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病気かどうかはなんともいえないのですが、目の開きが少ないです。

そして一重です。

あと特徴としては眉毛が低いです。

 

ということで挙筋前転法による眼瞼下垂手術を行いました。

末広奥二重希望なので、こんな感じにデザイン。

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皮膚切除は1.5mm、まつげから切開線までが軽く伸ばして6mmです。

これ以上、皮膚切除を追加しても末広にはなるのですが、

内側のラインの乱れや、希望よりも幅広になってしまうので、

皮膚切除は1.5mmでよいという判断です。

 

手術直後。

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仰向けでの写真なのでご参考までに。

男性の腫れとしては平均程度な印象です。

 

術後5日目。諸事情により5日目で抜糸しました。

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あえて開瞼の写真しかだしません。

その理由は、、、よくみてください。

向かって左の目頭側に二股があります。

焦りますが、二股解消の処置をするかどうかの判断が大事です。

デザインの写真と手術記録を見返し、傷がやわらかくなって、二重が少しゆるめば、

自然になくなる程度と判断し、今回は経過をみることにしました。

 

 

術後1か月。

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残ってます!内側の二股が残ってます!

でも焦らないでください。

1か月はきずあとが一番かたくなる時期で、

それにより二重がひっぱられる力も強くなるので、

こういう線がでやすい時期であります。

そして閉瞼と最大開瞼も。

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このかたの肌と傷の治り方のタイプとして、

赤みが強くでて、きずあとが平均よりも硬くなるタイプです。それによって、

閉瞼時のきずの赤みが強くなっています。

最大開瞼はこんなもんであれば、びっくり目でもなく、

挙筋前転の効果もでていてちょうどよいくらいです。

 

術後3か月。

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消えた!内側の二股が消えました!

きずがやわらかくなるのとともになくなっていったようです。

患者さんと二人で喜びました。

閉瞼時のきずは1か月目より綺麗になってきていますが、まだ少し目立ちます。

これは体質によるところが大きいです。

 

続いて最大開瞼と眉毛をあげたところの写真

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一生懸命見開くと、内側の二股ぽい段差がでます。

しかし眉毛をあげるとまったくでません。

このことからわかるのは、

眉毛の低い状態だと内側の二股がでやすいこと。

私にとってはあたりまえなのですが知らない人も多いはず。

にしても眉毛があがった状態だと、まぶたもよりすっきりした感じに見えますね。

 

眉毛の高さ、重要です。

 

 

術後6か月。ほぼ完成です。

ご要望の多いふし目の写真も。ふしめでの食い込みがないのが理想ですね。

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とてもよい結果です。

きずもかなり綺麗になりました。

肌質もあるので、傷が完全に馴染むのにはもう少しかかりそうですが、

かなり平らに近くなると思います。

 

ダウンタイムよく頑張りました。

 

術前術後の写真を再掲。

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男らしくかっこよく。目標達成できたと思います。

勇気をだして手術を受けてよかったですね。

写真使用のご快諾ありがとうございます。

 

 

なお、目頭側の二股と戦ってないじゃんというツッコミがあるかもしれませんが、

戦わずして勝てる可能性を判断できるのは知識と経験があるからこそです。

なにも知らず存ぜずで放置しているわけではないです。

一番よい結果になるように経過チェックでも全力を尽くしているのです。

(もちろん、最終的に二股が残った場合には修正手術のやりかたもぱっと思いつきますし、途中で治す場合だってありますよ。)

 

 

 

ちなみに豆知識として目頭側の二股が出やすい人はこんなかたたち。

 

  • 眉毛が低い。(元々低い人、眼瞼下垂手術後に低くなる人。)
  • もうこひだの張りが強い。
  • 皮膚がやわらかい。(中高年〜)

 

この3つをコンプリートしてしまうとどうしても出てしまう場合があります。

 

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手術内容:眼瞼下垂症手術(挙筋前転術)

早期のリスク:腫れ、痛み、内出血、感染、稀に結膜浮腫

見た目のリスク:まぶたの開きの左右差、二重の左右差、まぶたのアーチの不整、

予定外重瞼(三重)、二重のくいこみ、キズアト(場合により2本)、低矯正、過矯正、

二重の消失、二重が浅くなる、内側と外側の二股、眉毛がさがる、うわまぶたが厚ぼったく見える、など

機能面でのリスク:兎眼、ツッパリ感、視力の変化、眼瞼痙攣、ドライアイ、角膜炎、霰粒腫など

料金:保険適応で約45000円(3割負担)

   自費治療で約60万円(税別)