王子のまぶたブログ 眼瞼下垂と二重と逆さまつげと

形成外科専門医の王子富登のブログです。二重まぶたと眼瞼下垂と逆さまつげなどの治療について紹介していきます。

新世代の絆創膏

どうも形成外科専門医の王子富登です。

 

すっかり冬ですね。

 

先日やっと打ちました。インフルエンザの予防接種。

今年の予防接種は異常に腫れてかゆかったですが、

私だけでしょうか。

しかし外科医は手術に支障がでるといけませんから、

体調管理は必須です。

手洗いうがいをこまめにして

風邪をひかないように気をつけています。  

 

そして本日も万全の体調で、

眼瞼下垂手術2件と高度の巻き爪の手術を

行いました。

私、巻き爪の手術も地味に得意としていますので、

またいつかご紹介いたします。

 

 

ところで先日こんなニュースが。

 

headlines.yahoo.co.jp

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上記ページより引用

テープの部分に、痛くない、小さなとげのようなカエシがついていて、

皮膚の固定性を高める構造。

頭いいなぁと感心。

 

 

いままで切り傷の処置としては、

 

  1. サージカルテープでの固定
  2. ステイプラー(ホッチキスみたいなもの)
  3. 縫合

がありました。

 

1のテープは固定がいまいちで剥がれやすい。

(剥がれにくくする粘着剤もあります。)

2のステイプラーは痛みもある上に、

きずあとが汚くなる。

3の縫合は、局所麻酔の他にもいくつかの器材が必要で、

医師がいないとできない。

 

1の簡便さ、2と3の確実さの中間を狙ったとてもいいアイデアです。

今後どのような展開になるのか、

日本での承認がどのようになるのか、

(医師以外でも使用可能かどうか)

楽しみです。

 

 

ちなみに、形成外科医が得意としているもののひとつに、

 

真皮縫合

 

があります。

 

いわゆる、「中縫い」というやつです。

 

溶ける糸で、皮膚の内側を縫うことで、

 

きず同士の接着力が高まってくるまで、

糸がきずの緊張を緩和するので、

瘢痕(きずあと)の幅がでにくい。

 

というメリットがあります。

 

しかしこれには技術が必要で、

形成外科になっても5年以上かかるといわれることもあります。

だからこそ、形成外科の技術が重宝されるときがあるのですね。

 

動く子どものきずを正確に真皮縫合して、

きずあとをきれいになおす。

 

研修医が縫合しても、私たち専門医が縫合しても、

病院の収入は変わりませんが、

手を抜くことなく、

本気で縫合しています。

 

 

といいつつ、自動真皮縫合器のアイディアを考えている医者は

私以外にもたくさんいると思いますが( ´ ▽ ` )